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換気装置

  換気の方法は、自然換気と機械換気による換気方法とに大別することができます。

 自然換気とは機械によらず窓を開けて自然の通風を利用したり、空気の温度差を利用したりして対流を利用する方法です。自然換気では換気量をコントロールできないという欠点があります。

 一方、送風機や排風機を用いて強制的に換気する方法を強制換気と言います。機械換気は換気量の制御を行えるほか、フィルターをとりつけて空気を清浄化することも可能です。 さらに熱交換機をとりつけて、換気によって一緒に排出される熱を一部回収することも可能です。

 この機械換気設備には3つの方法があり、国内外製問わずに様々な種類のものが出回っています。

 気密住宅では換気量を定量化しバランスをとることが非常に大事ですから、自然換気や局所換気では換気量をバランスよく制御することはまずできません。となると、熱交換型の換気システムか集中制御の第3種換気システムで換気空気の量を制御することになります。

 熱の損失を考えると熱交換型換気システムが一見良さそうですが、各部の給排気口の給排気量を定量化しバランスを取ことはひじょうに難しく、また、ダクトや熱交換器のフィルターに発生する微生物による空気汚染を考えると室内の水蒸気を排気せずにリターンさせる全熱型が全盛の国内の熱交換型換気システムには多くの問題もあり、顕熱型の外国製の換気システムに勝るものがないのが現状です。

 さらに、熱回収しているから何となく省エネルギーに寄与しているような感じがしますが、イニシャルコストをそのランニングコストから回収することは日本の電力コストが欧米の数倍と高いことからしても難しいのが現実です。

 また、室内の圧力が外に比べて正圧(+)の場合には、建物内の空気が常に外へ出ようとするので、湿気等が壁体内(断熱層)に入り内部結露の原因を作りやすく、逆に負圧(−)の場合には、壁体内に室内の水蒸気が入りにくくなります。どんなに気密性能が良い建物でも隙間は必ず存在するので、隙間を通じた水蒸気の移動は避けられません。換気の方法や気密性能によっては、内部結露を起こす結果にもなりかねないので十分に注意が必要です。

 換気システムと換気量を考えた場合、どこからどのくらいの量を確実に排気するべきかが重要であることは言うまでもありません。日本のように四季があって窓を開けるケースも多い場合に、給気型では便所や浴室などの排気場所から全く排気されないことにもなりかねず、従って、常に確実に便所や浴室、納戸などで排気することができる第三種換気の方が住宅には望ましいでしょう。

 さらに設備コストと言った点では、イニシャルコストも安く、給気口や排気口のセッティング、ファンの大きさや能力によって1台のユニットで必要量の排気ができ、しかも人為的に空気の流れをある程度制御して気流の流れも一定にすることができる自然給気機械排気システムが最も合理的な換気設備と言えます。

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